2023
04/06
木
現代野球で重要視されている指標「セイバーメトリクス」。
野球好きなら一度は聞いたことがあるでしょう。
しかし、
「詳しくは知らない」
「なんか難しそう」
と思っている人も多いのではないでしょうか。
ということで、今回はセイバーメトリクスの重要性と欠点、そしてセイバーメトリクスを理解する上で参考となるおすすめの本を紹介します。
セイバーメトリクスとは
セイバーメトリクス(Sabermetrics)は、野球の試合や選手のパフォーマンスを数値化し、データ分析によって評価する統計指標です。
データ分析技術の進化によって、現代の野球選手は様々な細かな指標で評価されるようになってきました。
日本のプロ野球でよく知られる指標は、打者では「打率・打点・ホームラン数」、投手で言えば「勝敗数・防御率・奪三振数」というのが長らく一般的でした。
日本のプロ野球でよく知られる指標は、打者では「打率・打点・ホームラン数」、投手で言えば「勝敗数・防御率・奪三振数」というのが長らく一般的でした。
首位打者・打点王・ホームラン王、最多勝・最優秀防御率、奪三振王と主要なタイトルにもなっているのですから、これらは今後も重要な指標であることは変わらないでしょう。
ただ、これらは単純で分かり易い指標であり、また運の要素も含まれている為、この数値だけでは正確な評価はできません。
そこで統計学に基づき、もっと細かい指標となるデータとして算出されるのがセイバーメトリクスです。
現代野球において、客観的な選手の評価、試合の戦略、チーム作りをする上で非常に有効な数値・指標と言えます。
セイバーメトリクスの代表的な指標一覧
打者指標
OPS(On-base Plus Slugging)
「OPS」は、出塁率と長打率を合わせた値。
OPSが高いほど、打者の能力が高いと評価されます。
「出塁率+長打率」と算出方法が分かり易く、セイバーメトリクスの中で最も知られている指標の一つです。
算出方法は、以下の通り。※係数は変動あり。
防御率の場合、の味方野手の守備能力(ファインプレーなど)が少なからず影響します。
しかし、FIPであれば野手が関与するプレーから独立した純粋な投手の能力を表すことができます。
出塁させない能力を表す指標ですので、シングルヒットであろうがホームランであろうが同じ価値となります。
数値が高いほど守備能力が高いと評価されます。
当該ポジションにおいて50%以上の確率で処理できる範囲を守備範囲とし、その守備範囲において打球の処理率を表しています。
ただ、守備範囲を超えて処理した打球は対象外である為、総合的な守備能力というより、守備の確実性・安定性という意味合いの方が強いかもしれません。
1シーズンで何勝分貢献したのかという相対指標であり、数値が高いほどチームに貢献している選手であると言えます。
投手も野手も、全ての野球選手を同じ土俵として比べられることができる指標です。
OPSが高いほど、打者の能力が高いと評価されます。
「出塁率+長打率」と算出方法が分かり易く、セイバーメトリクスの中で最も知られている指標の一つです。
wOBA(Weighted On-Base Average)
「wOBA」は、安打や四球など出塁を伴う要素に得点価値を加重した1打席あたりにどれだけチームの得点増加に貢献したかを示す値。
算出方法は、以下の通り。※係数は変動あり。
0.692×(四球−故意四球)+0.73×死球 +0.865×単打+1.334×二塁打 +1.725×三塁打+2.065×本塁打 ÷(打数+四球−故意四球+死球+犠飛)……と、ちょっとややこしいですが、OPSに比べて出塁能力がより重視された打撃の生産性を評価する指標と理解すればいいでしょう。
投手指標
FIP(Fielding Independent Pitching)
「FIP」は、守備の要素を抜いた純粋な投手の能力を表す値。防御率の場合、の味方野手の守備能力(ファインプレーなど)が少なからず影響します。
しかし、FIPであれば野手が関与するプレーから独立した純粋な投手の能力を表すことができます。
WHIP(Walks plus Hits per Inning Pitched)
「WHIP」は、1イニングあたり何人のランナーを出塁させたかを表す値。出塁させない能力を表す指標ですので、シングルヒットであろうがホームランであろうが同じ価値となります。
守備指標
UZR (Ultimate Zone Rating)
「UZR」は、同じリーグ、同じポジションの野手の平均に比べて、守備でどれだけの失点を防いだかを表す値。数値が高いほど守備能力が高いと評価されます。
ZR (Zone Rating)
「ZR」は、守備範囲に飛んできた打球を処理できた確率を示す値。当該ポジションにおいて50%以上の確率で処理できる範囲を守備範囲とし、その守備範囲において打球の処理率を表しています。
ただ、守備範囲を超えて処理した打球は対象外である為、総合的な守備能力というより、守備の確実性・安定性という意味合いの方が強いかもしれません。
総合指標
WAR(Wins Above Replacement)
「WAR」は、投球力・打撃力・走塁力・守備力から、総合的な選手の貢献度を表す値。1シーズンで何勝分貢献したのかという相対指標であり、数値が高いほどチームに貢献している選手であると言えます。
投手も野手も、全ての野球選手を同じ土俵として比べられることができる指標です。
ただ、個人的に投手(投球力)と野手(打撃力・走塁力・守備力)の評価基準の少しバランスが取れていないかな、という気もします。
あくまでこれらはセイバーメトリクス指標の一部です。
あくまでこれらはセイバーメトリクス指標の一部です。
他にもありますが、キリがないので代表的なものだけに絞りました。
今後、上記で紹介した指標よりも重要視される指標となるものが出てくるかもしれません。
セイバーメトリクスはただ取り入れればいいのではなく「如何にして取り入れるか」が大事になると思います。
というのもセイバーメトリクスには、少なからず偏り・不正確性がどの指標にも存在するという欠点があるからです。
完璧な指標というのは今のところないでしょう。
となると、どれか一つの指標ではなく、複数の指標を総合的に見て評価することが重要です。
また、試合の戦略としてセイバーメトリクスを活用する際には、チーム状況や戦力によってどの指標を重要視するのか、あるいはどの指標を排除するのかといったことも大事になっていくかもしれません。
つまりセイバーメトリクスは
・選手の評価においては、様々な指標を総合的に見ること
・試合の戦略においては、どの指標を重要視するか
ということを踏まえなければならないものであると考えます。
セイバーメトリクスが「より有効的な存在なるか」あるいは「逆効果な悪い統計分析」になるか、
……それは全てあなた達次第です!
あるいは、今後AI(人工知能)による分析が進んでいくなんてこともあるかもしれません。
著者はいわば素人ではありますが、ダルビッシュ有選手を初めとしたプロ野球選手や専門家から支持されている野球観戦マニアです。
つまりセイバーメトリクスによって野球を観る楽しみを増やすには最適の本かと思います。
ただ、タイトルと内容は合っていないような気がしますけど……まぁインパクトのあるタイトルにしたかったんでしょうね。
資金力のない弱小球団オークランド・アスレチックスが金満球団に対抗するにはどうすればいいか。
GM(ゼネラルマネジャー)のビリー・ビーンが用いたのはセイバーメトリクスを駆使することだった。
野球界に大きな影響を与えた作品です。
ブラッド・ピット主演で映画化もされました。
情報量が多くてセイバーメトリクスの発展を感じる一方、まだ成熟されていない発展途上であることも個人的には感じました。
データは大事。
ただ、情報過多は逆効果になることもある。
様々な多くのデータがある中で何を重視するのか、ということが今後のセイバーメトリクスの進化に繋がるような気がします。
【最後に】
今後、上記で紹介した指標よりも重要視される指標となるものが出てくるかもしれません。
セイバーメトリクスの欠点と活用法
というのもセイバーメトリクスには、少なからず偏り・不正確性がどの指標にも存在するという欠点があるからです。
完璧な指標というのは今のところないでしょう。
となると、どれか一つの指標ではなく、複数の指標を総合的に見て評価することが重要です。
また、試合の戦略としてセイバーメトリクスを活用する際には、チーム状況や戦力によってどの指標を重要視するのか、あるいはどの指標を排除するのかといったことも大事になっていくかもしれません。
つまりセイバーメトリクスは
・選手の評価においては、様々な指標を総合的に見ること
・試合の戦略においては、どの指標を重要視するか
ということを踏まえなければならないものであると考えます。
セイバーメトリクスが「より有効的な存在なるか」あるいは「逆効果な悪い統計分析」になるか、
……それは全てあなた達次第です!
あるいは、今後AI(人工知能)による分析が進んでいくなんてこともあるかもしれません。
セイバーメトリクスに関するおすすめ本
セイバーメトリクスの落とし穴~マネー・ボールを超える野球論~
本書は野球を楽しみ方を広げることに繋がるセイバーメトリクスの入門書と言ったところでしょうか。著者はいわば素人ではありますが、ダルビッシュ有選手を初めとしたプロ野球選手や専門家から支持されている野球観戦マニアです。
つまりセイバーメトリクスによって野球を観る楽しみを増やすには最適の本かと思います。
ただ、タイトルと内容は合っていないような気がしますけど……まぁインパクトのあるタイトルにしたかったんでしょうね。
リンク
※Kindle版、楽天Kobo版あります。
マネー・ボール
MLBを舞台にセイバーメトリクス理論を実践した戦略・球団運営のノンフィクション。
GM(ゼネラルマネジャー)のビリー・ビーンが用いたのはセイバーメトリクスを駆使することだった。
野球界に大きな影響を与えた作品です。
ブラッド・ピット主演で映画化もされました。
リンク
※Kindle版、楽天Kobo版あります。
統計学が見つけた野球の真理 最先端のセイバーメトリクスが明らかにしたもの
セイバーメトリクスの指標を広く網羅した内容。情報量が多くてセイバーメトリクスの発展を感じる一方、まだ成熟されていない発展途上であることも個人的には感じました。
データは大事。
ただ、情報過多は逆効果になることもある。
様々な多くのデータがある中で何を重視するのか、ということが今後のセイバーメトリクスの進化に繋がるような気がします。
リンク
※Kindle版、楽天Kobo版あります。
【最後に】
セイバーメトリクスに関する本は他にもたくさんありますが、統計の一部だけ切り取った分析不足なミスリードが含まれているものも多い印象があります。
その辺りの欠点も踏まえて少し疑いながら、このセイバーメトリクス指標を有効に取り入れることをおすすめします。
その辺りの欠点も踏まえて少し疑いながら、このセイバーメトリクス指標を有効に取り入れることをおすすめします。
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